オフィスラブはじまってました
「なにか食べに行かれますか?
 私、付き合いますよ」

 お茶でも飲んでます、とひなとは言った。

「いや別に……。
 でもそうだな、お茶でもするか」
と言う柚月と近くにある怪しい喫茶店に行った。

 いや、単に看板と店が古いだけなのだが。

 なんだか常連さんしか入ってはいけない雰囲気の店に見えて。

 前のアパートからもそう遠くないので、店の前を通ったことはあったのだが、入ったことはなかった。

 お店の人はちょっと年配の辰子(たつこ)という女性で、柚月とは顔見知りだった。

「あらー、柚月くん、彼女?」
とカウンターに座るおじさんと話していた辰子がこちらを見て笑って言ってくる。
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