オフィスラブはじまってました
「……恥じらいですかね?」

「じゃあ、嫌じゃないのか?」

 なんだ、この詰問責(きつもんぜ)めは……と思いながらも、

 なんだかんだで結婚する以上、対等にならねばと頑張って言ってみた。

「あのっ、またそうして、私の方に言わせようとしてますね?」

「いや、俺も言ったろう」
と柚月は言う。

 そうでしたねーとチャイムを鳴らし直したあと柚月が言ってくれた告白を思い出して赤くなる。

 柚月は寝袋を半分脱ぐと、ひなとの膝に寝袋の上から手を置いた。

 ひなとを見つめて言ってくる。
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