オフィスラブはじまってました
 そして、柚月は空を見上げると、
「あ、流星」
と言ってきた。

「え? 何処ですか?」

「あれが流星だ」
と柚月は明らかに飛行機な光を指差して、言い切る。

 いや、流星にしてはカラフルだし、真横に走ってってますけど、と思いながら、ひなとは見上げていたが、柚月は、

「流星だ。
 よかったな、見られて。

 さあ、中に入ろう」
と自分が見ようと言ったくせに、さっさと切り上げ、部屋に戻ろうとする。

 ひなとは、えーっ、と言いながらも、自分も寝袋から出ようとしたが、もたもたしてしまう。

「しょうがないな」
と言いながら、柚月は寝袋のまま、ひなとを抱き抱えてくれた。
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