オフィスラブはじまってました
「ちっちゃいビール、結構いいんですよ。
 違う銘柄、ずらっと並べて、一個ずつ違うツマミを食べながら、開けては、ぷはーってやるんです」

 あげます、と言うひなとに、柚月は、

「いや、いい。
 お前が、ぷはーってやりたいんだろうが」
と言ったが、ひなとは、

「大丈夫です。
 ヒムラさんのために買ってきたんです」
と買い物袋の中のビール缶を見せてくれた。

 それぞれの銘柄を2本ずつ買ってきたようだった。

「必ずやのうちのひとつです」
とひなとは笑う。

『ありがとうございます。
 このお礼は必ずや』
と拝んできたときの話らしい。

「ほんとにお世話になりました。
 またなにかお礼しますね」
と言いながら、ひなとは部屋に入っていった。




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