君にずっと恋してる〜叶わない恋だとしても〜
今日は、彼の近くから離れないように
どうか。お願い!お願いします!

天気が良く雲の下に
朝陽の光がキラキラと光が差し込んでる。

きっと良い事がある!

胸を躍らせながら、
私は、駆け足で駅にと向かった。

はぁ…はぁ…

マスクをしているから
息が…あがる。

はぁ…はぁ…。

大きく深呼吸をして呼吸をととのえようとするけれど、
胸がザワザワして、心は、落ち着かない。

…彼はどこだろ?

キョロキョロしながら
彼を探した。

…どうか、彼とあえますように!
  
……。

…あっ!…いっ…いた!

胸がトゥクンと音を立てた。

私は、胸に手を当てて、制服を握りしめ、

慌てて、彼の元に近づいて、隣に並んで、

彼を見上げて顔をチラリと横目で見た。

「…えっ?」  

彼も私を見てる…?!

…えっ?

まさかの出来事に、頭の中が理解するまでに時間がかかって彼の事をボーッと見た。

「おはよう。この前はごめんね」

その言葉に私は彼の目を見つめた。
眼鏡の後ろから見える垂れ目のあの優しい目。 
 
まつ毛が長いんだ。

彼も私の目を見つめてくれている。

彼の声は、高くもなく、低すぎる事もなく。

甘くて優しい声は、スーッと私の中に自然に入ってくる。

彼の目に吸い込まれそうになりながら
頭は更にポーッとなってしまう。

「…あっ。そ…っ。そんな」
  
と。答えながら

はっ!と、我に返った。

あまりに恥ずかしくて
彼から一度、目線を逸らせうつむいてから、また、そっとゆっくり彼の顔を見てみた。

彼は、顔を正面に向けていたけれど
何故か少し私はホッとして、
彼の横顔をそっと眺めてみた。

彼は気がついているのかわからないけれど、そのまま顔の位置は変えないまま

ニコッと笑って見せた。

その横から見える目をしばらく見つめながら、私も笑顔になっていく。

こんな近くで彼を眺めていれるなんて、幸せな気持ちと、
不思議なくらい
こんなに安心できて、落ち着いてしまうんだろう。

たまらなく嬉しいくなる。

なのに。

彼と話したいのに。せっかく声をかけてくれたのに…

精一杯の返事はこんなもん。

言葉が出ない。

変な子って、思われてるかもしれない…

あぁ〜。こんなはずじゃないのに…。

と浸っている場合ではない。

後ろから押し寄せてくる人達に
また、押されちゃう!

…嫌だ!

顔を顰めた。

「僕を掴んで良いよ」

…えっ?何か聞こえた?…えっ?
首を傾げて少し考えた。

「早く僕を掴んで!」

まさかの展開に頭はついていけてないけれど、身体が反応して
慌てて彼の腕の制服を掴んで、
彼の顔を見てみた。

彼は、私を見てくれている。
優しい目で微笑んでくれている。

心臓がドキドキして鼓動が速くなっていく。
意識が遠のく程にドキドキしてしまう。

ダメ!どんどん好きになっちゃうよ…!

顔が火照ってるのがわかる。

心臓の音が彼にまで伝わってしまってるかもしれない。

好きになればなるほど、
その反対に
きっと、こんな素敵な人なんだから
彼女がいるかもしれない。

ただ、女性や子どもやお年寄りの方に対して優しい人なだけなんだって、わかってる。

って、自分に言い聞かせてる。

だけど、今は、彼に触れている。それだけで胸は彼で溢れていく。

やっぱり、彼のことが【好き】なんだって

確信していく。
 
好きって伝えたい。…だけど…


冷静に考えれば、

いつも、こうやってただそばにいれる時間があるだけで、友達になれたら
それでいい。。。

彼の腕の制服をギュッと更に強く握りしめ
彼に触れている指が彼を感じながら。

彼から目線を外し少し、うつむいた。

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