はつ恋。
それから2週間後。
夏に向かって日が延び、まだ空は明るい。
夕日が茜色に空を染め、
私達には影を与える。
その黒い影に飲み込まれないように私は有馬くんの手をぎゅっと強く握りながら、最寄り駅から自宅までの道のりを歩いていた。
「日奈子、緊張してる?」
「もぉ心臓が口から飛び出そう。あぁ、早く終わってぇ」
「ははは。それ、同感」
「有馬くん全然笑えてないよ」
「ガチガチだからな」
有馬くん、こう見えて私が初めてなんだよね。
そりゃ、緊張もするか。
自分で言うのも変だけど、
妹を溺愛している兄が相手だからね。
一応イエスを言わせやすくするために、お兄ちゃんの大好物のシュークリームを買ってきたけど、これ効くのかなぁ。
効果抜群であってほしい。
なんて思いながらひたすら歩くこと、15分。
近所の公園が見えてきた。
桜の木はすっかり緑の葉を揺らしていた。
地面に映る木の葉の影がすごく幻想的で、ずっと見ていたくなる。
そうだ、写真...!
「有馬くん、ちょっと待って。写真撮りたい」
「うん。分かった」
立ち止まり、バッグからスマホを取りだそうとした、
その時。
夏に向かって日が延び、まだ空は明るい。
夕日が茜色に空を染め、
私達には影を与える。
その黒い影に飲み込まれないように私は有馬くんの手をぎゅっと強く握りながら、最寄り駅から自宅までの道のりを歩いていた。
「日奈子、緊張してる?」
「もぉ心臓が口から飛び出そう。あぁ、早く終わってぇ」
「ははは。それ、同感」
「有馬くん全然笑えてないよ」
「ガチガチだからな」
有馬くん、こう見えて私が初めてなんだよね。
そりゃ、緊張もするか。
自分で言うのも変だけど、
妹を溺愛している兄が相手だからね。
一応イエスを言わせやすくするために、お兄ちゃんの大好物のシュークリームを買ってきたけど、これ効くのかなぁ。
効果抜群であってほしい。
なんて思いながらひたすら歩くこと、15分。
近所の公園が見えてきた。
桜の木はすっかり緑の葉を揺らしていた。
地面に映る木の葉の影がすごく幻想的で、ずっと見ていたくなる。
そうだ、写真...!
「有馬くん、ちょっと待って。写真撮りたい」
「うん。分かった」
立ち止まり、バッグからスマホを取りだそうとした、
その時。