はつ恋。
知里さんのお陰で、2人で臨むよりは和やかな状態でその時を迎えた。
カレーの良い匂いがリビングに充満して、それを吸い込むだけでお腹が鳴りそうなのだけれど、必死に呼吸を繰り返し堪えながらお兄ちゃんと向き合った。
「初めまして。日奈子さんと真剣にお付き合いさせて頂いております、有馬灯環と申します」
「やっぱりそうか」
「えっ?」
お兄ちゃんが私に視線を投げかける。
「薄々日奈子に男がいるのは気づいてた。見えづらい位置とはいえ、首のそれ、見えてた。男に免疫の無い日奈子を狙ってるとなれば相当なチャラ男だと思ったが、まさか赤髪とは...。日奈子、こんなチャラ男にお前を任せるわけにはいかない。今すぐここで別れてもらう」
「お兄ちゃん!そんなことない!有馬くんはそんな人じゃない!有馬くんは優しくて暖かくて、私のこと1番に考えてくれて、私の支えになってくれて、私を大事にしてくれて...」
カレーの良い匂いがリビングに充満して、それを吸い込むだけでお腹が鳴りそうなのだけれど、必死に呼吸を繰り返し堪えながらお兄ちゃんと向き合った。
「初めまして。日奈子さんと真剣にお付き合いさせて頂いております、有馬灯環と申します」
「やっぱりそうか」
「えっ?」
お兄ちゃんが私に視線を投げかける。
「薄々日奈子に男がいるのは気づいてた。見えづらい位置とはいえ、首のそれ、見えてた。男に免疫の無い日奈子を狙ってるとなれば相当なチャラ男だと思ったが、まさか赤髪とは...。日奈子、こんなチャラ男にお前を任せるわけにはいかない。今すぐここで別れてもらう」
「お兄ちゃん!そんなことない!有馬くんはそんな人じゃない!有馬くんは優しくて暖かくて、私のこと1番に考えてくれて、私の支えになってくれて、私を大事にしてくれて...」