悪役令嬢は二度目の人生で返り咲く~破滅エンドを回避して、恋も帝位もいただきます~ 2
 罪を犯し、幽閉されている前皇妃は、アンドレアスと第三皇子ベルンハルトの母親だ。皇妃としての地位を失い、今は単にハルディール夫人と呼ばれている。
 彼女の母国が、彼女の扱いに腹を立てている可能性はおおいにある。

「気がつきませんでした。では、私は、ザリロッド王国についてあたってみます」
「お願いね」

 そうと決まれば話は早い。レオンティーナは、ソニアが集めてくれた報告書に素早く目を通す。

(もともと……あまり豊かな土地ではないようね。軍事的にもさほど重要ではない……と思うのだけれど)

 皇子の領地とするには、あまりにもこの土地は貧しい。
 ターナジアという名を持つこの領地は、かつては交易で栄えていたようではあるが、大規模な街道から外れたために、今は見捨てられた地という方が近い。ヘイルダート王国が取り戻そうとしているのも、領地を奪われたままでは自国の民に示しがつかないからだ。
 こんなところに皇子を行かせるのだから、それは母の罪の償いと言ってもいいのかもしれない。

(これでは、アンドレアス殿下が反乱を起こすのは無理じゃないかしら)

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