可愛くないから、キミがいい【完】
「……実は、わたしも、コウタ君に少し前に、告白っぽいことされたんだけど、いま保留にしているんだよね」
「ええ?!本当に?全然知らなかった~、言ってよもう」
「ごめんごめん。保留にしてるし、言い出せなかった」
「ええ、びっくり。でも、みゆは、コウタ君とマユお似合いだと思うけど。なんで、保留にしているの?」
「なんか、ちょっと、照れくさくて?……こんなの初めてなんだよね」
「えええ、なにそれ~。マユ、かわいい」
いつの間にか、ミーナの話からマユの話に移っていた。
どいつもこいつも、なんて言い方は本当に天使らしくないのだけど、本当にどいつもこいつも幸せそうで、甘ったるい現実の中にいてずるい。
フルーツサンドを半分食べたところで、
一度、紅茶で喉を潤す。
胃の中に甘ったるいものを早く流し込んでしまいたかった。
暗い表情なんてしない。
ずるいなと思いながらも、そうは全然思っていないような余裕のある微笑みを浮かべて二人に接することで、自分のプライドを守る。
「なほちんも、とも君といい感じって言ってたし、なんだかんだみんな東高の男子だね~。みゆは、どうなの?最近」
「男の子って遊んだりしてるのは知ってるんだからね? みゆのことだから、ちゃっかりもう次の彼氏いたりしてー」
「えーみゆ?……どうだろうなあ」
二人の視線を受けて、何て言おうか少し考えてしまう。