可愛くないから、キミがいい【完】
なほちんは、「ちょっと待ってね」と、携帯に目を落としたままで、何かを探しているみたいだったけれど、見つからないのか、一度顔をあげる。それから、ちょっと下品な笑みを浮かべて、口を開く。
「和泉くん、彼女いるっぽいよ」
ミーナもマユも、どうせ今日まで和泉しゅうのことなんて忘れていたはずなのに、なほちんの発言に、大げさに驚いたような表情をつくった。
「急に何よー。本当なの? でも、いてもおかしくないけどね。ほんとにかっこいいし」
「でも、合コンのとき、別れたばっかりとか言ってなかったっけ? まあ、和泉くんくらいになるとすぐできちゃうかあ」
ミーナとマユの言葉のあとには、何も言うことができなかった。
和泉しゅうに、彼女がいる。
もしかして、それは私のことだろうか。
もしかしなくても、そうなのだと思う。
最近、かなりの頻度で会っている。
なほちんは、本人がいる場でわざわざ遠回しに言ってくるほどまがった性格ではないだろうから、勘違いされているのかもしれなかった。
和泉しゅうとは、ほとんど付き合っている男女と同じようなことをしているし、高校の最寄り駅で待ち合わせをしているのだから誰かに見られたのかもしれない。それが、私だとまでは思っていないだけだろう。
だけど、そこまでばれているのなら、本当のことを言おうと思って、「あのね、」と口を開きかけたタイミングで、「あ、あった!」となほちんが、探していた何かを見つけたのか、自分の携帯をテーブルの真ん中に置いた。
四人でそれをのぞきこむ。