真夜中のピアノ
まあいいじゃない、いつもの曲、弾いていったら?

男の子は緊張気味に私に触れ、弾き始める

「エリーゼのために」

うん、いいなあ、素敵!

男の子、真剣な顔つきだ

でも、真面目なのはいいけど、力が入りすぎだよ?

もっと、力を抜いてごらん?

私はさりげなく、男の子を導いてあげる

男の子の緊張が、氷解していく

顔つきも、仏頂面から笑顔に

そう、いいよ!その調子!

とっても上手だよ!いい気持ち!

男の子、曲を弾き終わった

ああ、楽しかったね!

また、一緒に遊ぼう!

男の子、お母さんと手を繋いで、スキップしながら去っていった
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