先生がいてくれるなら②【完】
それにしても、やっぱり先生の手は、ひんやり冷たい。
今日はクリスマスイブだから、お天気は悪くないけど当然外は冬らしい寒さの日で。
だから先生の手が冷たいのなんか、当たり前だと思ってたけど……。
「先生の手って、不思議」
繋いだ手を見ながらそう呟くと、先生は「え?」と首を傾げている。
「だって、夏でも冷たい時あるじゃないですか。特に出会った頃なんて、冷たすぎてびっくりしたのを覚えてます」
「あぁ、あれは、まぁ、……」
私としては素朴な疑問としてそう言ったのだけど、先生は少し困った顔をして笑っている。
先生がどうして困った顔をしてるのか、私には全然分からない。
私があれこれ理由を考えていると、先生が繋いだ手にキュッと少しだけ力を入れた。
「……まぁ、もう言ってもいいか」
「?」
「最初の頃なぁ、……まぁ今もだけど、お前を助手席に乗せるの、緊張するんだよ……」
「……え?」
予想外の答えに、私は思わず目をパチパチさせて先生の顔を仰ぎ見た。
先生は相変わらず少し困ったような、バツの悪そうな顔をして笑っている。
「言っとくけど、ひとりの時は手ぇ冷たくないから」
「……は?」
全く意味が分からない。
今度は私が首を傾げる番だった。