先生がいてくれるなら②【完】
俺は立花の手を離し、反対側からベッドへと滑り込んだ。
広いベッドは快適だけど、いまは立花の横になっている場所が遠くに感じる。
「もうちょっとこっちにおいで」と、俺のすぐ隣をポンポンと叩くと、立花がモゾモゾと動いて必死にこっちにやって来る姿が可愛らしい。
あぁもう、どんな事をやったって可愛くて仕方ないんだ。
「ホントに、抱き締めて眠るだけだから……それ以上のことしそうになったら、殴ってくれていいから」
すり寄ってきた立花を抱き寄せながら耳元でそっと囁くと、笑いながら「分かりました」なんて言ってる。
その声が、身体が密着してることで耳からだけで無く身体を通して響いてきて、心臓が一気に速度を上げる。
俺は自分自身の速まる心臓の音に気付かないふりをするので精一杯だ。
立花を抱き締めてるの、すっごいあったかい。ぽかぽか。
「……お前、あったかいな、湯たんぽみたい……」
「先生もあったかいですよ……あ、でも足は冷たいですね。ほら、さっき長く布団の外にいたから冷えちゃったんですよ」
そう言って立花は、冷えた俺の足に自らの足をぴたっとくっ付けて来て。
っちょ、ちょっっっと待て……!
俺は慌てて立花の足から自分の足を遠ざけた。
「お……おま、え……」
俺は思わず狼狽えてしまう。
「せっかく温めてあげようと思ったのに、なんで逃げちゃうんですか?」