俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
「それでも医学部へ合格されていますね」

「まあ、運が良かったですね」

「いえいえ、その頃から実力がおありだったのですね」

「負けん気だけは誰にも負けませんから」

「起業を考えたのはいつだったのですか?」

「大学に入ってすぐですね。それまでは親の敷いたレールに嫌嫌乗っかっていた。それが大学に入ったとたん急に外れた。大学には全国から人が集まってきます。小さな世界にいた自分の視界が急に開けたような気持ちです。また勉強するにつれて自分には医師は向いていないなと思ったのもきっかけです。その気持ちが起業に繋がりました」

柳田の生い立ちは、一花が想像していた以上に人間味に溢れていた。企業理念や将来性を何も考えずに今まで働いてきた一花だったが、そんな自分の甘さを悔い、改めて身が引き締まる思いがした。
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