俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
「おい、泣くなって。俺は大丈夫だから」

一花は小さく呟く。

「……社長が……死んじゃうかと思って……」

その言葉は小さすぎて飛んでいってしまいそうだったが、柳田の耳にだけはしっかりと届いていた。

「なんだよ、大袈裟だな」

「大袈裟なんかじゃないです！大袈裟なんかじゃ…………私の前からいなくならないでください！」

突然叫ぶかのように必死に言葉を紡ぐ一花の顔は高揚し、柳田はぐっと言葉を飲む。
意思のこもった瞳はじっと柳田を見据え、まるで睨み付けるかのように必死だ。

柳田はふと視線を外し小さく息を吐くと、ぼそりと言った。

「……お前、それ告白に聞こえるんだが？」

その意味を理解するのに数秒はかかった。
一花はとたんに顔を真っ赤にして否定する。

「はっ、ち、違いますよっ、勘違いしないでください！私はただ純粋に心配しただけでっ……」

慌てふためく一花をいなすように、柳田は一花の頭を優しく撫でる。

「涙止まったな。ありがとな、しんのすけ」

その優しい手つきはとても温かく、けれどとてもむず痒い。
一花は撫でられながらもそっぽを向いた。

「……子供扱いしないでください」

ぷいっと突っぱねたつもりだったが、柳田は今まで見たことのないような優しい顔で笑っていた。
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