俺様社長の強引愛はただの純粋な愛でした◆おまけのお話を追加しました◆
考え抜いたあげく出た言葉は微妙なものだった。

「……私も宣戦布告されました」

一花の悩ましげな表情に、向井は思わずキョトンとしてしまう。てっきり頬でも染めるかと思ったのに、本当に困ったといった感じだ。そんな態度の一花に向井は笑いが込み上げてきて、思わず吹き出した。

「ぷはっ。社長が野原さんに惚れたのがわかる気がします」

「惚れたって……そんなわけないじゃないですか」

「いえいえ、あんなに必死になっている社長、初めて見ますよ」

「必死なんですか?」

「私に牽制してくるくらい、必死です」

向井は宣戦布告されたことを思い出してクスクスと笑う。百戦錬磨と言われる柳田が手こずる女性が現れたことに、向井は微笑ましい気持ちになった。

「でも、よくわからないです。社長は素敵な人だしモテるから、私なんかじゃなくて女性なんてよりどりみどりでしょう?……それに私は恋愛する気ありませんし」

「恋愛する気はない?」

「はい…………。大事な人を亡くすのはもうこりごりです」

一花の呟きは聞こえたのかどうなのか。
向井もそれ以上聞くことはなかった。
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