身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
入社して一年のあいりちゃんは今回の件について、好奇心を抑えられないようだった。ウエディングプランナーとしてそれはだめだと思うけれど、彼女は彼女なりにお客さまを思いやれる子だと知っているから、ここではさらっと受け流しておく。彼女は容姿も性格もイマドキの若い子といった感じで、いつも屈託なく周囲を明るくしてくれるのだ。

私はというと、日が追うごとに川嶺さまが気がかりになっていた。

あれから毎日のように彼女に電話やメールをしているけれど、一向につながらないからだ。

彼女は高須賀さまときちんと話し合えたのだろうか。なんとなく高須賀さまのほうに連絡をするのは憚られ、私は彼らの現状を知る手立てがなく、心配ばかりが募っていた。

「しかも相手は超超イケメンの御曹司さまですよ! 私、高須賀さまのタキシード姿を見たとき、あまりのかっこよさに吐血するかと思いましたもん。鼻血じゃ追いつかないほど素敵でしたよね!」
< 22 / 146 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop