身代わり花嫁なのに、極上御曹司は求愛の手を緩めない
私は彼をまっすぐ見据えた。

彼は他意なく口にしたのだろうけれど、私がほしいものはお金では手に入らないし、この仕事を辞めたいと思ったことは一度もない。それだけは軽んじられたくなかった。

高須賀さまは不意打ちの私の勢いに目を瞠る。

私は頭を下げ、それでも話を続けた。

「すみません。無礼を承知で申し上げます。高須賀さまは相手の気持ちを考えたことがありますか?」

「……俺があなたの気持ちをおざなりにしていると?」

高須賀さまは眉を寄せ、私に強い視線を向けた。

「私のことはともかく、先ほどの高須賀さまと川嶺さまとの件ではそう感じていました」

今さら口出しするつもりはなかったけれど、どうしても我慢できなくなった。

突として蒸し返した私に、高須賀さまは嫌悪感を剥き出しにする。

「あなたは破談になったのは、俺が悪いと思っているのか?」
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