その手をつかんで
「ん? なあに?」

「こんなところで、恥ずかしくなること言わないで」

「まったく照れる明日花はかわいくて、たまらない」

「だから、もう! そういうことは……」


私は言っている途中で、自分たちが注目されていることに気付く。

蓮斗さんの手は、私の頬を撫でていたのだ。慌てて、彼の手を払うが遅い……。


「フフッ、ふたりが仲良しで安心したわ。ねえ、お父さん」

「ああ、そうだな。近いうち孫も見られそうだな」


蓮斗さんの両親が和やかに言うと、私の両親もうんうんと頷く。


「いやー、孫は楽しみですね!」


そこへ弟の声が割り込む。


「えっ、俺、おじさんになるの? ちょっとおじさんと呼ばれるのは抵抗あるな。たーくんと呼ばせるかな」


もう呼び方を考える弟にみんなが吹き出した。弟の竜樹(たつき)はもうすぐ二十歳になる大学生だ。


「竜樹、気が早いわよ」

「えー、大事なことじゃん。姉ちゃんと蓮斗さんの子なら、男の子でも女の子でもかわいいだろうな」


みんなが同意して、頷く。
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