その手をつかんで
蓮斗さんが咲里奈ちゃんの頭を撫でる。


「男の子だったら、咲里奈の相手になるかな」

「おい、蓮斗。まだ咲里奈はあげないぞ」

「なに言ってるんだよ、涼輔。遊び相手になるかなと言ったんだけど」

「はあ? 男の子だったらと紛らわしく言うなよ。女の子でも遊び相手になるじゃないか。むしろ女の子の方が……あー、もう! 俺をからかうな!」


涼輔さんはみんなから笑われていることに気付いて、頭を掻きむしった。穏やかな人だと思っていたから、意外な一面だ。

父親になって、変わったのかも。


「もうパパったらー、髪の毛が乱れたわよ」

「瑠奈……悪い、ありがとう……お、咲里奈も優しいな」


瑠奈が涼輔さんの髪型を直していると、咲里奈ちゃんも小さい手でポンポンと叩いた。直しているのか、叩いているのか判別しにくい動きだが、涼輔さんの顔はデレている。


「俺もあんな情けない顔になるのかな」


私はポツリと呟く蓮斗さんの腕に、手を置いた。


「幸せな顔ですよ。私たちも幸せを増やしたいですね」

「ああ、負けないくらい幸せになろう」


微かに体を屈めた蓮斗さんは、私にそっとキスをした。


**おしまい**
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