オオカミ社長の求愛から逃げられません!




遡ること数時間前。

「おはようござまーす」

私、藤堂里香、24歳はいつものように張り切って挨拶をしながら、職場である老舗和菓子屋「三日月堂」の店内へと入る。いつもセミロングの黒髪を一つに縛っただけのヘアスタイルで、私服はパンツスタイルが多い。

クリっとした二重の目が印象的だとよく言われるが、自分で言うのも悲しいが、可愛いわけでも美人でもない。だけど和菓子愛と、笑顔だけは誰にも負けないと自負している。

「おはよー、里香ちゃん」
「あ、おはようございます。杉本さん」
「今日は忙しくなりそうね」
「はい! ワクワクしますね!」

今日から世間はGW。きっと朝からたくさんのお客さんが来ることが予測され、想像するだけで胸が弾んだ。

「今日もがんばるぞー」


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