オオカミ社長の求愛から逃げられません!


お金持ちの遊びっていったいどんなものだろうと気になるも、一店員にしかすぎない私には、雲の上のような話で一生縁はないと思っている。

「じゃあ今日もみんなよろしくね」

店長の声に「はい!」と張り切って声を上げる。さー今日も頑張るぞと自分の心に焚きつけると、店舗の外へと出た。 

ショーケースに今日最も売れると予想される一口まんじゅうを、一つ一つ丁寧に並べる。

三日月堂は室町時代後期の創業ですでに5世紀にわたって続く老舗。ネットショップも通販もないため、店舗に来なければ買えないという代物。目上の人や、お土産にと買い求めるお客さんは後を絶たない。

店員である私も、ここのお菓子のファンの一人だ。

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