結婚するのがイヤで家出したらクラスの男子と同棲することになった話【11/16番外編2追加】
そういうわけで、卒業と同時にふたりが同棲生活を始めるまでは、思う存分ふたりの仲を邪魔してやるつもりだ。
花岡家ご当主の許可ももらっている。
(何だかんだあの方も仁葵を溺愛されているのだ。本人にはあまり伝わっていないが)
たとえ仁葵が結婚したとしても、俺は仁葵のボディーガードとして離れるつもりはない。
飛鳥井の存在の有無に関係なく、俺はこれからも仁葵の傍にあり続ける。
飛鳥井との絆とはまったく別の形をしているが、俺と仁葵にも固く結ばれた絆があるのだ。
それはいくら仁葵の婚約者でも、絶対に切ることはできない。
そして将来何かが起きて、仁葵と飛鳥井の関係が終わることは充分に考えられる。
愛だの恋だのというものは脆く壊れやすい。
だが俺と仁葵はちがう。
飛鳥井のもとから仁葵が離れるときがきたら……俺は変わらず仁葵を守り、傍を離れなければいい。