ぜんぶ欲しくてたまらない。



「ん、ご馳走様。起きるから避けて」



なんて自分勝手な。


不意打ちのおでこへのキス。


放心状態のわたしを置いて、コウくんは「顔洗ってくる」と部屋を出ていってしまった。



ずるいよ、コウくん。

なんでわたしにキスしたの?



例えそれがおでこでも。



キスは好きな人とするものでしょ?



わたしはコウくんにとってただの幼なじみなのに。


意味わかんないよ。



しばらく動けないでいたわたしを呼びに来たのはコウくんで。


遅刻するよと次に怒られたのはわたしで。


モヤモヤしていたわたしはその後どうしたのか記憶が曖昧だけど、なんとか制服に着替えて、遅刻せずに学校に行くことができた。




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