ぜんぶ欲しくてたまらない。
「芽依ちゃんの幼なじみとの関係が崩れるのが怖いっていう気持ちもわからなくはないけど、せっかくそばに居るのに何もしないのはもったいないよ?」
何もしなければこれまでと同じように仲良しな幼なじみでいることができる。
でも、何もしなければこれ以上先に進むことはできない。
どうするかはわたし次第だけど、ずっとこのままは嫌だ。
もっとコウくんに近づきたい。
幼なじみじゃなくて、1人の女の子として見て欲しい。
「ありがとう咲良ちゃん。コウくんに再会できたのも奇跡だし、今一緒に住むことができているのも奇跡だし……楽しむことにする」
「よく言った!芽依ちゃんのこと、応援してるからっ」
「うん、大好き咲良ちゃん」
「それを言う相手は倉敷くんでしょ?」
「そ、それはまだ無理だよっ!」
咲良ちゃんは時々とんでもないことを言うんだから。