転生夫婦の新婚事情 ~前世の幼なじみが、今世で旦那さまになりました~
『そうだな。おまえに剣の道は向いていない』
わかっていたことでも、実際才能のあるハルトからこうもバッサリと断言されてしまうと悲しくなった。
いやむしろ、ここまで遠慮のない言い方に怒りすらわいてくる。というかカチンと来た。普通に。
『……ちょっと、』
『きっとおまえは、剣を持つよりも──誰かを傷つけることになるかもしれない道よりも、こうしてひとを癒すことの方が、向いてる』
頬を引きつらせて抗議しかけたところを、淡々とした──けれどもどこかいつもより柔らかく感じる声に遮られ、息を止めた。
顔を上げたユノは、自分を見つめるハルトの綺麗なアイスブルーの瞳が、優しげに細められていることに目を見開く。
『……そっか。そうかなあ』
ひとりごとのようにつぶやき、先ほどハルトがくれた言葉を心の中で反芻した。
……ひとを癒す。それって、すごく素敵なことだ。
自然と、ユノの口もとはほころんでいた。すっくと今度こそ元気よく立ち上がった彼女は、未だ地面に座り込んだままのハルトに笑顔を向ける。
『ありがと、ハルト!』
『……? 礼を言うのは、こっちだろう』
本気で意味がわかっていなさそうな彼にまた笑って、ユノは軽やかに踵を返すと走り出した。
世界が、キラキラと輝いている気がする。まだ何者でもない、8歳の少女だったユノが、新たな夢を胸に抱いた瞬間の出来事だった。
わかっていたことでも、実際才能のあるハルトからこうもバッサリと断言されてしまうと悲しくなった。
いやむしろ、ここまで遠慮のない言い方に怒りすらわいてくる。というかカチンと来た。普通に。
『……ちょっと、』
『きっとおまえは、剣を持つよりも──誰かを傷つけることになるかもしれない道よりも、こうしてひとを癒すことの方が、向いてる』
頬を引きつらせて抗議しかけたところを、淡々とした──けれどもどこかいつもより柔らかく感じる声に遮られ、息を止めた。
顔を上げたユノは、自分を見つめるハルトの綺麗なアイスブルーの瞳が、優しげに細められていることに目を見開く。
『……そっか。そうかなあ』
ひとりごとのようにつぶやき、先ほどハルトがくれた言葉を心の中で反芻した。
……ひとを癒す。それって、すごく素敵なことだ。
自然と、ユノの口もとはほころんでいた。すっくと今度こそ元気よく立ち上がった彼女は、未だ地面に座り込んだままのハルトに笑顔を向ける。
『ありがと、ハルト!』
『……? 礼を言うのは、こっちだろう』
本気で意味がわかっていなさそうな彼にまた笑って、ユノは軽やかに踵を返すと走り出した。
世界が、キラキラと輝いている気がする。まだ何者でもない、8歳の少女だったユノが、新たな夢を胸に抱いた瞬間の出来事だった。