【短編】コイイロ世界

コイハナ


それからの私達は、変わってしまった。


朝を迎え、目が覚めようとも、そこに恭の姿はない。

急ぎ足で外に出たところで、恭は待ってはいない。

学校に着いたところで、私と恭は離ればなれ、恭が側にいることはない。


放課後の帰り道…

伸びる影は、私一人のものだけ。


メールや電話もない、


すれ違いに見る恭の姿はとても新鮮


偶然重なった瞳は、簡単に逸らされてしまった……。




初めのうちはなんとか努力をした。

逃げようとする恭の後を追い掛けて、必死に縋り付こうとする。


待って!

待って!

と何度も繰り返す。

アナタは無言で、私に顔を魅してくれない。



恭の手を両手で握り、
やっと掴んだ、と思った瞬間…―




――バッ!!


それは、いとも簡単に振り払われた……。


私は動くこともできず、歩き進む恭の後ろ姿を見続けることしかできなかった




あれは…




――――――“拒絶”。





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