【短編】コイイロ世界
――――――――――
「未ー月!なぁーにしてるの?」
「あっ……凛ちゃん…。」
放課後の教室に凛ちゃんの声が響く。
私は凛ちゃんに返事をしながら、笑顔をつくる。
「未月…? ―――――――。」
「――凛ちゃん? どうかした?」
カノジョの言葉が途中で止まり、口を閉じた。
凛ちゃんの表情が少しだけ曇ったように見えた。
私は頭に疑問付をつけながら彼女の顔を覗く。
「…りん――――」
「どうかしたのは、
――未月のほうでしょ?」
「――えっ……?」
彼女に言葉を遮られながら、言葉を失ってしまった。