お前は俺だけのものだ〜私はあなたに相応しくありません
急なことにビックリして後退りした時、バランスを崩し倒れそうになった。

海堂さんが私の腰を支えてくれて危機を回避してくれた。

「大丈夫?」

「すみません、ありがとうございます」

「妊婦なんだから気をつけないと駄目だよ」

「はい」

「手放したくない程、みくるさんの手料理はうまいんだ」

海堂さんはニヤッと口角を上げた。

「社長の好みにあっていただけです」

「仕事増やしていいかな」

「えっ?」

「僕もみくるさんの手料理食べたいな」

「お口に合うかどうかわかりませんよ」

海堂さんは私の肩を抱いて「僕のマンションに住み込みでお願いしたいんだけど」と言って私を見つめた。

私の返事を聞かないうちに「よろしく」と言って微笑んだ。

「来週から引っ越して来てほしい、丁度月が変わるから契約更新しなけば何の問題も無いだろ?」

「あ、はい」

私が曖昧な返事をしたので、海堂さんは不思議に思い私に尋ねた。

「九条誄と契約書交わしたんだろ?」

「個人契約は口頭契約です」

「えっ?マジで」

「はい」

海堂さんはしばらく考えて思いもよらぬ言葉を私に向けた。

「九条誄に挨拶に行こう」

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