お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~
「果歩さん、火鍋は?」
「じつははじめてです」
いつか食べてみたいと思いつつお預けになっていた。念願が叶ったのもうれしい。
「辛い物が好きなら絶対に気に入ると思うよ」
「楽しみです」
オーダーを晴臣に任せ、先に運んでもらったノンアルのビールで乾杯となった。
その後、続々と食材が運ばれ、テーブルが野菜や肉でいっぱいになる。火鍋特有の仕切り鍋が真ん中に置かれた。
中には赤いマーラータンと白いパイタンが煮立ち、スパイスの香りで果歩の食欲を刺激する。
「いい匂い」
「まずは好きな肉からしゃぶしゃぶするようにして食べてみて」
「いただきます」と箸を持ち、晴臣に倣って薄くスライスされている牛肉をマーラータンの方に入れる。軽く泳がせるようにして、ごま油ベースのタレをつけて口に投入。
「――んっ、辛い! でもおいしい!」
「だろう?」