お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

一体全体どうしてそうなってしまったのか。


「絶対にお似合いだと思ったの。よかったわ。これでハルくんも結婚に向けて大きく前進ね」


話が飛び過ぎてどうにも収拾がつかない。付き合ううえに結婚にまで飛躍してしまった。文代はうれしそうに何度も頷いてから、紙袋を果歩に差し出す。


「これ、お客様にいただいたの」


話をガラッと変えられ、反論の言葉が喉の奥に舞い戻る。


「そ、そうですか。では、三時のお茶のときにでもみなさんにお出ししますね」
「でも、きっと誰も食べられないと思うの。激辛煎餅ですって。果歩ちゃん、辛い物が好きって言ってたでしょう?」
「あ、りがとうございます……」


戸惑いつつ紙袋を受け取りながら、頭の中ではべつののことを考えていた。

(……七瀬さん、どういうつもりなんだろう)

果歩は、文代には今回の話はお断りする方向で話をしようと考えていたのだ。

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