お見合い夫婦!?の新婚事情~極上社長はかりそめ妻を離したくない~

「なにって果歩に会いたいからに決まってるじゃないか」
「今さらなに?」
「果歩と別れたこと、ずっと後悔してたんだ。俺たち愛し合っていたじゃないか。結婚しよう」


なんて調子のいい男なのか。果歩は幸人にとって都合がよかっただけ。愛なんてとっくになかった。
果歩は首を激しく横に振りながら、じりじりと間合いを詰めてきた幸人から後退りしていく。


「ちゃんと仕事もしてるし、な? 果歩」


幸人がさらに一歩足を踏み出して果歩に近づき、今にも腕を掴まれそうになったときだった。果歩と幸人の間に背の高い人影が割り込む。


「残念ですが、彼女との結婚は諦めてください」


ハッとして見上げた顔に驚かされる。


「晴臣さん!」


思いがけない人物の登場だった。
果歩を庇うように立った晴臣が幸人を見下ろす。背中からでもわかるほど威圧的な空気を放っていた。それは幸人が怯んで顔を強張らせた様子からもわかる。
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