キミとの日々を永遠に
「あ、そうだ。アルバム見る?
小さい頃の悠生も写ってるよ」
奈緒ちゃんはそう言って、本棚からアルバムを引っ張り出してくれる
「いいの?見たい!」
その中には奈緒ちゃんと悠生くん、樹くんの3人の写真がいくつもあった
だけどずっと一緒って訳でもなくて、今の仲が良い3人を知ってるからこそ、それが少し意外だった
「これ…」
パラパラとめくっていると、ある写真に行き当たる
ランドセルを背負った奈緒ちゃんと樹くん、そして、無機質な白いベッドの上に座っている悠生くん
数本の管に腕を取られ、鼻の方にも管を付けている
「あぁ、それね
小学校の卒業式、悠生だけ来れなかったんだよ」
なんてことないように紡がれる言葉
だけどこれは、ただの風邪とかじゃない
そんなことくらいは私にも分かる
怪訝な顔をしていたからか、奈緒ちゃんがさらに言葉を続ける
「風邪こじらせてさ、肺炎か何かになっちゃって。
…本当は黙っとけって言われてるんだけど、悠生、小さい頃から身体弱かったんだよ。
すぐ風邪とかもらってくるの。今でもよく休んでるでしょ。
まぁ半分くらいはサボりだけど、もう半分くらいは本当に風邪ひいてたりする」
また、さらりと衝撃の事実を知る
「そうだったの?」
「そうそう。だから総合病院も常連なんだよ。
知っちゃったこと、悠生には言わないであげてね。あいつ意外とプライド高いから」
困った弟を見守るお姉ちゃんみたいな顔で、奈緒ちゃんが笑う
「うん、分かった」
私も軽く笑いながら約束をした
それから一通りいろんなアルバムを見せてもらって、ふたりでたくさん話をした
今日だけで奈緒ちゃんのことをたくさん知れて、今までよりももっと仲良くなれた気がした