結婚から始めましょう。〜SIDE 蓮〜
〝既婚者〟
その言葉が重くのしかかってくる。
南田に向けた苦笑が精一杯で、自分の気持ちがどんどん沈んいくのがわかった。
話したこともない、たった一度見かけただけの女性に、どうしてここまで心を揺さぶられるのか。自分で自身を理解できずにいた。
その日の夜、久しぶりに母の陽子から電話がかかってきた。
「蓮、仕事はどう?」
母との会話の一言目の決まり文句だ。半分は挨拶代わりのようなもの。しかしもう半分は、母から社長職を受け継いだ自分への気遣いなのだろう。
「問題ないですよ。順調です」
「そう。よかったわ。あっ、そうそう。さっき南田さんから連絡をもらったのよ」
〝南田〟と聞いて頭に浮かんだのは、南田本人の顔ではなく、アドバイザーの高橋桃香さんだった。
若干、彼女のことに気を取られながら、母の声に耳を傾けていた。
その言葉が重くのしかかってくる。
南田に向けた苦笑が精一杯で、自分の気持ちがどんどん沈んいくのがわかった。
話したこともない、たった一度見かけただけの女性に、どうしてここまで心を揺さぶられるのか。自分で自身を理解できずにいた。
その日の夜、久しぶりに母の陽子から電話がかかってきた。
「蓮、仕事はどう?」
母との会話の一言目の決まり文句だ。半分は挨拶代わりのようなもの。しかしもう半分は、母から社長職を受け継いだ自分への気遣いなのだろう。
「問題ないですよ。順調です」
「そう。よかったわ。あっ、そうそう。さっき南田さんから連絡をもらったのよ」
〝南田〟と聞いて頭に浮かんだのは、南田本人の顔ではなく、アドバイザーの高橋桃香さんだった。
若干、彼女のことに気を取られながら、母の声に耳を傾けていた。