Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 そうやって、わたしが必死に言い訳をしているあいだに、いつのまにか芹澤さんはわたしの後ろに回っていた。
 そして……
「えっ?」
 首筋に吐息を感じた瞬間、椅子ごしに覆いかぶさるようにハグされていた。

「エリカ……やっと言ってくれたね」
 一瞬、自分の身に何が起きているのか、理解できなかった。

 えっ、な、なんで?

 彼はわたしの耳元に唇を寄せ、心が蕩けてしまいそうなほど甘い声で囁いた。

「嬉しいよ。その言葉を待ってたんだ。ずっと、長いあいだ。エリカ……いや」
 彼の言葉がわたしの耳をくすぐる。

「イチゴちゃん」

 わたしは驚いて、彼のほうに顔を向けた。
 すぐ真横に彼の顔がある。
 わ、ち、近い。

「な、なんで、宗太さんがわたしの子供のころのあだ名を知ってるんですか?」

 芹澤さんはわたしから離れると、隣の椅子を引き、こっちに向けて坐った。

 そして、わたしの椅子も動かし、向かい合う形になった。

「覚えてないかな、ぼくのこと。宗太だよ。小学生のころ、体操教室で一緒だった」
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