Sweet Strawberry Trap 御曹司副社長の甘い計略
 ひとりになってから、自分の部屋をもう一度隅から隅まで点検した。

 ベッドの横のチェストには、パジャマが数セット。この滑らかな感触、やっぱシルクだ。
 下の段にはリネン類や下着類もふんだんに入っている。

 それから、ウォーク・イン・クローゼットへ。
 オーソドックスなデザインが多いと思ったけれど、カッティングが優れているのか、どの服も垢抜けて見える。

 ということは、ここにあるのはハイ・ブランドのもの……

 頭のなかでソロバンをはじいてみる。

 セーターやブラウス、スカート、ワンピース、パンツそれぞれ15着ずつぐらいありそうだから……ひえっ。

 口にするのも恐ろしい金額になりそう。

 そのなかでひときわ目を惹いた、手の込んだ刺繍が施されている淡い藤色のワンピースを手に取る。

 タグを見てびっくり。
 わたしには一生縁のないブランドの品だ。
 おそらく、50万円は下らない。 

 さらにクローゼットの引き出しには、アクセサリー・ボックスまで入っていた。

 もちろん安物のアクセサリーではなく、どう見ても本物。

 粒揃いの真珠の首飾り、ダイヤのネックレス、金のピアス、エメラルドのペンダント……
 こんなものまで揃えてくれたの?
 想像を絶する資産家なんだ。芹澤さん。
 すごすぎる。

 でも……
 鍵のない引き出しに、こんなにたくさんの貴重品を入れておくなんて。

 この感覚、わたしにはまったく理解できない。
 いくら、セキュリティ万全の住まいであろうと、いくら、うなるほどの財産を持っていようと。

 あまりにも無頓着すぎるんじゃないかな。
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