あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!
「大丈夫か!?」



え…?



恐る恐る目を開くと、そこにいたのは樹生さんだった。



「どうした!?何があった?」

「た、樹生さん…」

ほっとしたら、また涙が込み上げて、私は樹生さんの胸にすがって泣いた。
樹生さんは何も言わず、ただ、私を優しく抱いていてくれた。







「落ち着いた?」

「……はい。」



ひとしきり泣いて、ようやく私の涙は止まった。



「川北さんが電話をくれたから、慌てて帰ってきたんだ。
一体、何があったの?」

「はい、それが…」

話そうとすると、二階堂さんのことが思い出されてまた涙が込み上げる。
樹生さんは、私の涙を指で拭ってくれた。



「ゆっくりでいいからね。
それはどうしたの?」

樹生さんは、私の肩のシミを指さした。



「こ、これは…」

答えようとしたら、また涙が込み上げてきた。



「晩ご飯は食べた?」

「い、いえ、まだです。」

「じゃあ、まずはごはんを食べよう。川北さんが作ってくれてるから。さ。」

樹生さんに手を引かれ、私はリビングに向かった。



「すぐに用意するからね。」

「それなら私が…」

「いいから、いいから。」

肩を押さえて、立とうとした私を樹生さんは無理に座らせた。
今日の樹生さん、なんだかすごく優しい。
私はこの際、樹生さんに甘えることにした。
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