あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!
「そこで何があったの?」

「え、えっと…」

涙は出なかったけど、やっぱり言いにくい。



「焦らないで良いから…」

私の手に、樹生さんの手が重ねられた。
その温もりのおかげで、なんとなく勇気みたいなものがわいてきて…



「実は…」

私はカフェでの出来事を思い出しながら、ありのままに話した。
ありのままとはいえ、さすがに言えなかったこともあったけど。



「なんて奴だ!
それじゃあ、これは…」

「は、はい。二階堂さんに紅茶をかけられました。」

「紅茶をって…大丈夫なのか!」

「は、はい。大丈夫です。」

「ちょっと見せて。」

「あっ!」



樹生さんが私のブラウスのボタンを外して…



「赤くなってるじゃない!」

「あ、そ、そうですか、でも、大丈夫なんで…」

恥ずかしいからそう言ったけど、気にしたら確かに少し痛い気がした。



「今から病院に行こう。」

「だ、大丈夫ですよ。
メンタム塗っとけば治ります。」

「馬鹿な!そんなもので治るはずがない。」

「大丈夫ですよ。
今までやけどの時はいつもそうしてましたから。」

樹生さんは心配してたけど、私がしつこく言ったら、なんとか折れてくれた。



「じゃあ、ブラウスを脱いで。」

「え?」

「メンタム塗るんだろう?」

「あ、寝る時にしますから。」

「塗りにくいだろう。僕が塗るから。」

「あ~…えっと、お風呂に入ってからにします。」

そう言って、なんとか話をはぐらかした。

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