あなたが私を選んだ理由に、断固異議あり!
それからも、芸能人のことや、どうでも良い話題をふって、その場をやり過ごした。
相田さんにはなんとなく申し訳ない気はするんだけど、あの婚約話は東條さんが勝手に言ってるだけだとぶっちゃけることはさすがに出来ないから。
だから、今はとにかく話を逸らすしかない。



結局、その日、東城さんとはほとんど話をしなかった。
話そうと思ったら、社長室に呼べば話せるんだから、きっと話すことがないってことだと思う。
やっぱり、冗談だったのかな?



それからも、何事もなく時は流れて…
あの日のことが幻のように感じられるようになったある日…



「ねぇ、明日、用事はある?」

東條さんに書類を渡しに行った時、唐突にそう訊かれた。



「え?特にはありませんが。」

「良かった。じゃあ、ちょっと付き合ってよね。
君の家まで迎えに行こうか。」

「え?い、いえ。私が行きますけど、どこに行けば…」

「そう?じゃあ、11時に〇〇駅の北口にで。」

「は、はい。わかりました。でも、どこに行くんですか?」

東條さんはそれには答えず、ただ微笑むだけだった。


< 37 / 127 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop