転生侍女はモブらしく暮らしたい〜なのにお嬢様のハッピーエンドは私に託されているようです(汗)
口づけられた右手の甲を左手で握りしめているレミリアの頬は赤い。

動揺の最中にいる彼女の前に、選択肢が現れた。

①【父に相談してからでもよろしいでしょうか?】
②【忙しい日はないのですけど、このようなお誘いは初めてで、わたくし、どうしたらよいのか……】
③【喜んでご招待にあずかりますわ。わたくしがバルニエ伯爵様のご都合に合わせます】

エマが固唾を飲んで見守る中、レミリアが口を開く。

「わたくしは普段、屋敷に引きこもっております。都合が悪い日はないのですけど……あの、どうしたらいいのでしょう。このようなお誘いに不慣れで決められません」

それはエマの回答集にあった答えだからというよりは、本気でオロオロして困っているから自然と出たように聞こえた。

その様子が可愛らしく抱きしめてあげたくなり、エマは身悶えた。

(もしかして、バルニエ伯爵と相性がいいかも。レミリア様が拗ねてる余裕がないほど強引に恋愛を進めてくれた方が、素直な反応ができるのかもしれない)

大人の余裕を感じさせるようにクスリと笑ったバルニエ伯爵は、今すぐには決められないというレミリアを、招待を受ける方へ誘導する。

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