平凡な私の獣騎士団もふもふライフ2
「ジェド団長の相棒獣は、表情豊かな白獣ですね」

……ジェドに似て、嫌なことへの感情表現が豊かだと思ってもいるのかもしれない。リズは教育係だった自分の経験から、そう思ったりした。

エドモンドが急きょ加わったからといって、リズの日常が大きく変わってしまうだとかいうことは、もちろんなかった。それは、暇になればそばについているカルロと同じ感じだった。

そうしている間に、一日目と二日目が過ぎて、三日目も平和的に終わった。

次にジェドが話す時間を設けてくれるまで、何も問題なく過ぎるのだろう。リズだけでなく、コーマックや他の獣騎士たちもそう思っていた。

――のだが。

四日目の朝、エドモンドが初日に、人知れず起こしていたとある知らせが起因して、問題が勃発した。



◆§◆§◆



その日の朝、獣騎士団の本館。

「陛下から『王宮に来ないか』と、直々に手紙がきた」

そう切り出されたジェドの執務室には、肌にぴりぴりと刺さるような、極寒の空気が漂っていた。

先日と同じく、向かいのソファにはエドモンドが座っている。そこに向き合ったジェドは、今にも槍や雷でも落ちそうな重々しい空気を放っていた。
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