黙って一緒に堕ちてろよ

「岩倉さ〜ん」


相変わらず気色悪い……。背筋がぞわぞわするのを感じて、ちらりと目をやると、そこにはやっぱり綾瀬さんの姿があった。


「あのね、今日当番変わってほしいんだ〜。ほら、この前代わってあげたでしょ?その代わりっていうかぁ」


短すぎるスカートに短いソックス、開いた第一ボタンにゆるゆるのリボン。くるくると巻かれた茶髪はかなり傷んでいる。ピンクのグロスが塗りたくられた唇はテカテカと照っている。


個人の有り様を否定する気はないけれど、好き嫌いは個人の勝手だよね。


「やっぱり私、嫌いだわ」


「え?」


私は、自分に再確認するように、そうつぶやいた。
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