黙って一緒に堕ちてろよ

「ったく、地味な作業に巻き添えにしやがって……」


「こういうときのための古茶くんでしょ?有効利用しないと損じゃん」


「んだよそれ、聞いたことねーよ、捏造すんじゃねぇ」


担任にプリント綴じを頼まれた優等生の私は、「古茶くんも手伝ってくれるよね?」と引きずってきたのだ。


教師とクラスメートの手前断ることもできずに渋々と捕まった古茶くん。ざまみろ。


ぱち、ぱち。ホチキスの無機質な音が教室に響く。


「……暑くないの?」


「え?」


まぶしいくらいに白いワイシャツ。その、きっちりとした袖が目に止まった。


「長袖。体育のときでさえジャージ着てるし」


今日は比較的穏やかな気候だ。私たちには似合わないくらい、あたたかい。なのに古茶くんは、腕まくりもせずに、きっちりと長袖シャツを着こなしている。


第一ボタン、えり、ときて、私の目線は無意識に首に移る。細い首、喉仏。白くてきめ細かい肌。下手したらそこらの女子よりも美人なんじゃ?……むかつく。


「よく見てんね」


「……思い出しただけ」
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