ガロ制圧。
ガロ鎮圧。
ティモテ姫は黄金の髪、浅葱色のドレス、黒い帽子を被る。
今夜は蒸気オルガンの試作機が王城で披露される予定。

テリウム王子は公務に向かっていた。したがってティモテ姫は当面は閑暇が与えられる、ということ。そういった余暇は辞書を調べていく。古代ドワーフ語やエルフ語、人間の標準語を。

ガロの図書室から接収した技術資料。警邏する兵士のかがり火。

火の粉がちらちらとアーシュベルク王国を染めていく。その街並みを暗い夜の帳が包む。その影絵に似た現像を垣間見ながらティモテ姫はわずかな閑暇を楽しんでいる。その農園地帯(ガロ)との数か月前の政変はすでに旧聞に帰していた。

ガロは事実上制圧されたのである。

ティモテ姫とテリウム王子のイニシアティブを得て麾下の兵士はガロを強襲し同時期にガロへの批判声明を議会が宣告する。
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