君が呼ぶから帰ってきたよ
康太…


前は行事とか凄い好きだったのに。


今でも思い出すのは中学生の頃。


康太はその頃から運動神経抜群で康太がいるなら優勝できるとまで言われてたくらいだった。


リレーの時、私は体育祭に出られなかったから見学席にいた。


康太はアンカーで私のいる見学席の目の前を走る予定だった。


康太はスタートから他の人と差をつけてまっすぐゴールへ向かっていた。


すごく速くて、風を切るように走る康太がとってもかっこよくて…


応援しなきゃいけないのに私は見とれてしまっていた。


そして私の見学席の目の前に来た時ゴールではなく、私に向かって走ってきた。


びっくりして固まっている間にも康太はどんどん近づいてくる。


え?康太なにやってるの!?


私の目の前に来て私の頭にあったハチマキを手に取った。


「美春、これ借りるな!」
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