君が呼ぶから帰ってきたよ
そう言ってまた康太はゴールまで全速力で走っていった。


私のところに来たくせにちゃんと1位でゴールした。


なんで私のハチマキを持っていったのか、それはゴールした康太を見て分かった。


ゴールした瞬間私のハチマキを右手に持ち高く上げていた。


康太は私と一緒にゴールしてくれたんだと思ったんだ。


体が弱かった私は正直体育祭なんてなんの意味もない行事だった。


参加出来ないし、体育祭の準備も力仕事で手伝うのも無理で。


ただ、クラスの応援しか出来ない。


そう思っていた私の気持ちに康太はちゃんと気づいてくれてたんだ。


"美春も仲間だ、一緒に参加してる"


そう言って貰えてる気がした。


1位の康太の周りにクラスメイトが集まりみんなで喜んでいる。


私はそれを遠くから見つめ、幼なじみを誇らしく思ったんだ。
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