君のカンパネラ

若い社会科の先生が担任だった。
男の先生でノリがよい、ということは知っていた。

朝礼が始まった。

「おー、海斗。

昨日お前サボっただろ。

てか新学期早々、銀の髪はまずいだろ。

ピアスもつけすぎ」


「えー、別にいいじゃん。

先生も耳に穴空いてるし。

これ、つけない?」

と言ってピアスを取り出した。

「ったくー、俺もお前の校則違反を厳しく注意しろって校長からいろいろ言われてんの。

もうお前の尻拭いは勘弁だよー。

言っても無駄かー」

クラスメイトはほとんどが笑っていた。



この海斗っていう男のことを夏菜から聞いた。

夏菜はマンガ研究会に入っていて、私以外にも友達がいたし、海斗のことを知っていた。

彼は帰国子女で中学までアメリカにいたらしい。

高1の頃からあんな感じで、校則違反や遅刻、サボり、授業中の睡眠を繰り返していて問題児と言われているらしい。

問題児といえども、飾らない性格で生徒には人気らしい。

先生も海斗に手を焼いているらしいが、素直な人柄で職員室でも人気らしい。

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