溺愛確定 冷徹御曹司とのお見合い事情

当然、その瞳の中には私しかいなくて、それを見た瞬間、誰にも渡したくはないと強く思った。


「湊さん。ごめんなさい」

「え?」


突然謝った私に、湊さんの瞳が揺れた。

でもしっかりと見つめ返せば湊さんの瞳も揺れることなく、そして口を噤んでくれたので、永井さんの方を向いて決意を口にする。


「私は社員の方々を納得させられるような美人じゃないし、どこかのご令嬢でもありません。だから私のせいで湊さんの評価を下げることになるかもしれないし、仕事の面にも影響が出てしまうかもしれない。でも」


そこからは湊さんに向けて話す。


「私は湊さんが好きなので、湊さんが隣に立つ資格を与えてくれる限り、どんな陰口を叩かれようと耐えてみせます。そしていつしか湊さんにとっても会社にとってもプラスになれたら嬉しいです」


「絵麻」


ドキドキしながら湊さんの言葉を待つと、湊さんは今まで見てきた中でいちばん優しい笑顔を向けてくれた。


「ありがとう。すごく嬉しい。今すぐ抱き締めたいくらいに。いや、抱き締めてもいいか?」

「ダメです」


永井さんが冷静な声で止め、それから私と湊さんを交互に見てフッと力なく笑った。


「敵わないわ」

「え?」


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