飼い犬は猛犬でした。

 とても長い時間が過ぎたような気がした。何度も重なり合った唇がゆっくりと離れると、涼輔くんは小さくため息をついた。

「はぁ、そういう声出すの……禁止ッス」
「ごめんね……? 我慢できなくて……」

 壁に押し付けられるように追い込まれ、涼輔くんはわたしの目を真っ直ぐと見つめる。

「そんなこと言われたら、俺が我慢できなくなるんすけど……?」
「わ、わかったから、ごめんごめん」
「ホントに分かってるんスかねぇ……」

 やっと涼輔くんから解放され、安堵する。
 こんな色気溢れる涼輔くんと近距離で話していたら、どうにかなってしまいそう。

「そのうちホントに先輩のこと襲っちゃうかもしれねーっスよ」

 涼輔くんから放たれた聞き捨てならない一言に、本気で身の危険を感じる。

「涼輔くんのえっち……」

 わたしはふいっと涼輔くんから顔を逸らし、家の方へと歩き出した。

「……! ちょ、今のもう1回言ってください!」
「やだよ……って、涼輔くんって意外と変態なんだね……」
「健全な男子高校生って言ってくれませんかねぇー?!」
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