勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「で、でも、あのお見合いは、


私がお姉ちゃんの代わりに行っただけで、


その、私は結婚なんて、全く考えてなくて」




 必死でおじいちゃん達に言葉をしぼりだす。



 なにより……。



「彩梅さんは、まだ高校生ですよね?」



 そうです! まだ高校生です!



「だからどうした?」



「それがどうしたんだ?」




けろりと答えたお祖父ちゃんに呆然。



こ、この人たち、常識が通じない‼




「小梅さんも本来ならそのくらい、


いや、もっと若い年齢で嫁ぐはずだったようだしな」



 小梅さん…?



 どこかで聞いたことのあるその名前。



 西園寺家では代々女性に花の名前がつけられているので、


「梅」という名をもつひとは、私のほかにも数名いたはず。





「えっと、小梅さんって、おばあちゃまのおばあちゃまの……?」



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